伽藍石仏は、上野丘陵(きゅうりょう)の南側斜面南太平寺の集落のやや東端にあります。地元では「伽藍様(がらんさま)」と呼ばれる小さな社殿のそばの小崖面に三つの龕(がん)を掘り込み彫造されています。 向かって右の龕(がん)には、入口手前の右壁に胸部から下が欠けた不動明王立像のほか、左右に四体の像の痕跡が確認でき、その奥壁に阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)坐像が彫出されています。なお、阿弥陀如来坐像は、光背全体を彫りくぼめ、その中に像体を掘り出す、鎌倉時代の豊後独特の手法で造られています。