堀内誠一 絵の世界

大分市美術館
堀内誠一絵の世界
  • 開始日: 2023年04月21日
  • 終了日: 2023年06月25日
終了しました

展覧会概要

堀内誠一(1932-87年)は、昭和に活躍した伝説のアートディレクター、デザイナー、絵本作家です。雑誌『anan』、『BRUTUS』、『POPEYE』などのロゴやデザインを手がける先進的なアートディレクターでありながら、『くろうまブランキー』や『ぐるんぱのようちえん』、『たろう』シリーズをはじめとする人気絵本作家としても活躍しました。
1974年からは家族と共にパリに移住。パリを拠点に世界各地を訪ねてはイラストやエッセイを書き、友人たちにも絵入りの手紙を送るなど多彩な創作活動を繰り広げました。
本展は、幼少期の絵画作品を出発点に、アートディレクター、デザイナーとして豊かな才能を発揮した雑誌や書籍等の仕事や、堀内にとって特別な仕事であった絵本の作品を通して、画業の全貌を紹介する回顧展です。また、大分会場特集として、大分市出身の洋画家・佐藤敬(1906-78年)とのパリ時代の交流にも迫ります。

『こすずめのぼうけん』1977年 福音館書店 ©Seiichi Horiuchi
堀内 誠一(ほりうち せいいち)

1932年東京に生まれる。デザイナー、アートディレクター、絵本作家。雑誌作りにおけるエディトリアルデザインの先駆者であり、『anan』創刊時には、ロゴ、表紙、ページネーションなどを手がける。海外取材を実施するなど、ヴィジュアル系雑誌の可能性を大きく広げた。『あかずきん』『雪わたり』『くるみわり人形』など、20代半ばから生涯にわたり60冊を超える絵本を世に出し、挿絵も数多く描く。1973年から81年にかけてパリに暮らし、世界を巡り、旅先の風景や地図を描き雑誌で発表するなど、多彩な表現に意欲的に取り組む。1987年逝去。享年54歳。(写真提供:堀内事務所)

見どころ

■絵を描きたい その創作の原点

図案家だった父の影響もあり、子どものころから絵を描くことが好きだった堀内。子ども時代に描いたスケッチ、画塾に通いながら日々描いたデッサン、模索を重ねながら取り組んだ油絵などを展示し、絵本作家になる前から、堀内が描くこと、表現することにいかに真剣に向き合っていたかを紹介します。

《青いサーカス一家》1950 年 油彩・キャンヴァス ©Seiichi Horiuchi

■多彩な絵本の世界

図案家だった父の影響もあり、子どものころから絵を描くことが好きだった堀内。子ども時代に描いたスケッチ、画塾に通いながら日々描いたデッサン、模索を重ねながら取り組んだ油絵などを展示し、絵本作家になる前から、堀内が描くこと、表現することにいかに真剣に向き合っていたかを紹介します。

『ぐるんぱのようちえん』1965年 福音館書店 ©Seiichi Horiuchi

1.はじまりの絵本たち

(初期、模索の時代)
『くろうま ブランキ―』『七わのからす『たろうシリーズ』『おおきくなるの』
『ぐるんぱのようちえん』

2.名作と向き合う

『おやゆびちーちゃん』『くるみわりにんぎょう』『雪わたり』

3.好奇心と科学の絵本

1969年創刊・月刊科学絵本シリーズ
「かがくのとも」
現在も数か国語に翻訳されているベストセラーも。
『ほね』『ねびえ』『めのはなし』

4.広がる絵本の世界

堀内絵本の魅力のひとつは、その多彩な画風。古今東西、あらゆる文化に好奇心を持ち、そのエッセンスを自分のものにしていた堀内ならではの、遊び心もたっぷりの多様な作品を紹介します。
『こぶたのまーち』『てがみのえほん』『どうぶつしんぶん』『でてきておひさま』『てんのくぎをうちにいったはりっこ』など

5.パリで生まれた絵本たち

41歳の時、堀内は家族とフランスに渡り、約7年間をパリ郊外のアントニーで暮らしました。フランス滞在期間には絵本の仕事にできる限り専念しました。ヨーロッパに触れ、パリの暮らしをソースとして生まれた絵本たちを紹介します。
『こすずめのぼうけん』『きこりとおおかみ』『パンのかけらとちいさなあくま』など

■物語を導く 挿絵の世界

堀内が「挿絵」を手がけた絵本は40冊以上。物語への興味を深めるよう工夫された絵の世界を、代表的な挿絵作品を中心に紹介します。『人形の家』『ふらいぱんじいさん』『グリム童話集』『ロボット・カミイ』『おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ』『マザー・グースのうた』など

『ロボット・カミィ』1970年 福音館書店 ©Seiichi Horiuchi

■堀内誠一が残したもの

堀内はいかなるときも「描くこと」を通してイメージを形にしていきました。ロゴマークのデザイン、雑誌のアートディレクション、
本の装丁、ポスターのデザイン、ミニコミ誌の編集、友人たちへの絵手紙、旅先で見た町の風景、そして地図。描くことを通して堀内
が表したさまざまなものを紹介します。また、その創作の傍らにあった愛用品や画材などもあわせてご紹介します。

堀内誠一が手がけたロゴデザイン 1970年~

大分会場特集

■堀内誠一と交流のあった、大分市出身の洋画家・佐藤敬について

佐藤 敬(さとう けい)

1906年大分市に生まれる。1926年、東京美術学校入学。1929年、第10回帝展に初入選。
1930~34年、渡仏。1932年、第13回帝展で特選。1936年、新制作派協会設立。1941~42年、従軍画家として戦地に赴く。
1952年、再渡仏し、以後25年間、パリを中心に欧米各国で活躍。
1976年、勲三等瑞宝章受章。1978年逝去。享年71歳。

「堀内誠一 絵の世界」開催概要

会  期令和5年4月21日(金曜日)から6月25日(日曜日)まで
開館時間午前10時から午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
休 館 日令和5年6月12日(月曜日)、19日(月曜日)
観 覧 料一般1,000円(800円)、高大生700円(500円)中学生以下は無料
※()内は20名以上の団体料金 です。                           
※ 上記観覧料でコレクション展(常設展)も併せてご覧いただけます。
※ 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳提示者とその介護者1名は無料です。
※ 本展は「大分市美術館年間パスポート」がご利用になれます。
会  場大分市美術館 企画展示室
主  催大分市美術館、OAB大分朝日放送、堀内誠一展実行委員会
特別協力堀内事務所
協  力福音館書店、マガジンハウス、大分県立図書館、大分市民図書館
企画協力アートキッチン

特別展「堀内誠一 絵の世界」チラシ.pdf

特別展「堀内誠一 絵の世界」出品目録.pdf

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